世界の出産祝い <オランダ編>

1オランダと言えば、世界で一番平均身長の高い国です。男女とも平均身長が世界一ですから、生まれてくる赤ちゃんも全体的に大きいようです。体格の良さから体が丈夫なのか、お母さんは出産翌日から赤ちゃんを連れてお散歩するなんてこともあるそうです。そんなオランダではどのような出産祝いが贈られているのでしょうか。

出産祝いの丸いラスク
a0780_000096_mオランダでは誕生日の本人がパーティーを主催したり、お菓子やケーキを友人に配ったりする文化があるそうです。そのため、出産祝いも赤ちゃんの両親がお菓子を配ります。Beschuit met muisjes(ビスカウト・メット・マウシェス)と呼ばれるそのお菓子は、マーガリンを塗った丸いラスクの上にアニスの実が入った砂糖の粒をかけたものです。男の子は水色、女の子はピンクの砂糖粒を使います。シャンパンと一緒に頂くこともあるそうです。

赤ちゃんが生まれるとすぐに出産報告のハガキを友人や会社の同僚に送ります。出産前から、赤ちゃんが生まれたらすぐに出せるようにハガキを準備をしておくのです。そのハガキをもらった人たちはそれぞれ出産祝いのカードを送ります。そして、赤ちゃんを見に来てくれるのです。

その他にも、赤ちゃんが生まれた家はすぐに、出産を知らせるデコレーションを軒先や玄関のドアにつけます。スイスではもみの木が飾られますが、オランダではコウノトリのモチーフが一般的のようです。これを見た近所の人やお友達がお祝いに駆けつけてくれるので、その時には前述のビスカウト・メット・マウシェスを来てくれた人たちに振る舞うのです。最近ではメールでなんでも済ませてしまうことも多いのですが、ハガキを送り合ったり、家までお祝いを言いに行ったりと触れ合いを大切にしている国なのですね。

子育てのしやすい国オランダ
a0001_006373さらにオランダの出産制度はかなり充実していて、産休時の手当などもしっかりしています。とてもうらやましいのが、クラムソルグというシステムです。産後に専門の看護士さんが家まで来てくれて、ママと赤ちゃんの健康を管理してくれたり、家事の手伝いもしてくれます。近くに家族がいない場合や、他に兄妹がいる場合にもとても助かる制度ですね。これなら安心して出産することができます。

オランダは1995年に出生率が過去最低になってしまい、そこから政府が様々な対策を立てました。世界に先駆けて、ワークシェアリングを推進する等、子どもがいても働きやすい環境を整えることで、出生率もあがりました。ヨーロッパの中でも子育てのしやすい国として注目されています。

出生率低下が叫ばれて久しい日本ですが、効果的な対策がなかなか見えてきません。日本でも子どもを育てやすい社会が近い将来実現できると嬉しいですね。

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